こんにちは、Strobolightsの羽田です。「インターンを企画したのに、応募がほとんど集まらなかった」——そんな経験をお持ちの採用担当者が増えています。
夏のインターンシップ期から早期母集団を形成し、早期選考・内々定へとつなげる流れは、今や新卒採用のセオリーです。しかし、その入口となるインターンシップ・仕事体験自体に学生が来なければ、採用戦略は絵に描いた餅になってしまいます。
本記事では、弊社の学生調査データをもとに、「なぜ学生が来ないのか」という原因と、学生に選ばれるインターンシップ設計のポイントを解説します。特に、知名度の低い中小企業・中堅企業の採用担当者の方にとって、実践的な手がかりになれば幸いです。
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インターンシップ集客はなぜ難しくなっているのか
まず、現状を数字で確認しておきましょう。マイナビの調査によると、26卒学生のインターンシップ・仕事体験参加率は85.3%、平均参加社数は5.2社と、いずれも過去最高水準に達しています(2025年発表)。学生のインターンシップ参加意欲自体は高まっているにもかかわらず、「集まらない」という企業の悩みはむしろ深刻化しています。
その背景には、掲載社数の爆発的な増加があります。ナビサイトへの掲載社数は5年前と比較してマイナビで約1万社、リクナビで約2万社近く増えており、限られた学生の注目をめぐる競争は年々激化しています。つまり、インターンシップへの参加意欲は高まっているのに、企業側の受け皿が増えすぎて、一社あたりの集客が難しくなっているのが実態です。
学生の本音:よくわからないけどとりあえず動かないといけない
弊社では定量的なアンケートだけではなく、会員学生の就活支援を通して彼らの本音や、学生本人も気づいていないインサイトを重視しています。日々、学生と接している中で感じる、学生にとっての「インターンシップ」についての本音は下記のようなものであると弊社では仮説立てています。
- 「就活=インターンシップ」という印象なのでとりあえず参加しないといけない
- インターンシップに参加すると早期選考に呼ばれ就活が有利になる
- よくわかっていないが、大学からも行けと指示される
本来のインターンシップの趣旨である「キャリア観の涵養」にはなっておらず、選考ルートの一環として認識しているのが実態でしょう。実際、dodaキャンパスの調査でも、夏のインターンシップ参加企業の選考に進みたいと答えた学生は約87%にのぼっており、選考との接続を意識しながら参加先を選んでいることが見て取れます。
その是非はともかく、それを踏まえた上で企業はどのように対応すべきかを考えていきましょう。
学生のインターンシップ・仕事体験の探し方
学生はどのような観点でインターンシップを探すのでしょうか。下記は弊社モニター学生に聞いた調査です。

約40%の学生は「もともと興味がある」業界・企業を見ているようです。しかしこれはある意味当たり前とも言えます。知らないものを選ぶことは学生じゃなくても難しいからです。
幸い、残りの60%の学生は体験内容でインターンシップ先を選んでいるようです。
学生認知度が高くない企業様は、仕事体験・インターンシップのコンテンツで勝負するしかありません。「学生はうちの会社には興味がない」という前提に立ってインターンシップ設計をしましょう。
学生が参加したくなるインターンシップとは
では、どのようなインターンシップ・仕事体験が学生の参加意欲を高めるのでしょうか。設計上のポイントを絞って解説します。
学生が想起可能な仕事体験コンテンツの提供
まず重要なのは、学生が関心を持てる仕事体験コンテンツを提供することです。有名企業のインターンシップや仕事体験は選考難易度が高いため、ほとんどの学生は参加することができません。有名企業の仕事体験に参加できなかった学生の参加を狙っていきましょう。
ただし、学生はまだ仕事の実態をよく理解していないため、自分の興味のある分野で実践的な経験ができるプログラムに惹かれる傾向があります。マイナビの調査でも、26卒において「実際の現場での仕事体験」を含むプログラムへの参加が前年比5.7pt増と伸びており、よりリアルな就業体験を求める学生が増えていることが裏付けられています。
ここで注意すべき点は、学生にとって志望度が高くない仕事体験を企画しても集客は難しいということです。特に夏のインターンシップ時期は、学生の社会やビジネスへの理解がまだ浅く、具体的な職種名がイメージしにくい状態です。そのため、「営業」「企画」「マーケティング」など、学生が想起しやすく、分かりやすい名称の職種体験プログラムを用意すると効果的でしょう。
就活支援コンテンツはレッドオーシャンだが、一定のニーズはある
自己分析、企業研究、エントリーシート対策、面接準備、グループディスカッションなどの就活支援コンテンツには一定の人気があります。ただし、これらは比較的多く開催されているコンテンツなので、表現方法や内容に工夫が必要です。
有名なところだとニトリやスカイラークは、数年前から就活支援コンテンツを多数展開し、一種のブランドとして確立しています。「あそこの就活コンテンツは行っておいた方がいい」という評判が先輩から後輩へと伝わる好循環を生み出しているほどです。
すでに企業主催の就活支援コンテンツはたくさんあるため、後発として参入することは容易ではありませんが、それでも一定のニーズはあります。自社業界や自社単独では集客が難しい企業にとっては、検討する価値があるでしょう。
社員座談会の魅力づけの鍵は”編集”
単に「社員との座談会」と告知しても、企業自体に興味を持たれていなければ人は集まりません。重要なのは、どのような社員が登場するかを具体的に伝えることです。社員の本名を出す必要はありませんが、現在の仕事内容やキャリアパスなど、参加する社員の魅力を伝える「切り口」が必要です。
雑誌の編集者のような視点で、「なぜこの人と話したいと思うのか」という価値を創出することが大切です。単に「先輩社員と話せます」では、学生の参加意欲は湧きません。「28歳で営業マネージャーに昇進した〇〇さんに、キャリアの作り方を聞ける」といった具体性が、学生の行動を促します。
コンテンツだけでなく、形式・設計も重要
カメラオフ参加の許容
コンテンツの種類ではなく仕掛けの話になりますが、学生はカメラオフの方が気軽に参加できる傾向にあります。志望度の高い企業のイベントであれば、学生もカメラをオンにする覚悟で参加しますが、まだ興味を持っていない企業のイベントにカメラオンで参加する動機は低いでしょう。
企業側としてはカメラオンを希望する気持ちは理解できますが、特に初期段階では「まだ自社に興味を持たれていない」という前提に立ち、カメラオフでも参加できる柔軟性を持つことが集客につながります。インターンシップ参加後のフォローアップで関係を深める設計のほうが、中長期的な採用成果につながりやすいでしょう。
インターンシップ選考の設計にも注意が必要
マイナビの調査では、インターンシップの選考を通過しなかった場合、その後の「採用選考に参加しない」と答えた学生が56.6%と半数を超えています。インターンシップの選考落ちが、採用機会の喪失に直結するリスクがある点は見落とせません。知名度の低い企業ほど、まず接点を増やすことが先決であり、インターンシップへの参加ハードルを下げることが母集団形成において有効な手段となります。
採用サイトや募集要項の表現改善
最後に重要なのは、採用サイトや就活ナビの原稿の質です。多くの企業の採用サイトや説明文が抽象的で浅い内容になっていることが見受けられます。人気企業であれば問題ないかもしれませんが、そうでない企業の場合、表現が淡白では学生の興味を引くことは難しいでしょう。
また、業界専門用語の多用も大きな問題です。業界人や社会人にとっては当たり前の言葉でも、学生にはわからないことが多いのです。内定者などに採用サイトや文面を見せてフィードバックをもらうことで、学生目線の改善ができるでしょう。インターンシップ集客においても、募集要項の見せ方ひとつで応募数が大きく変わることがあります。
おわりに
インターンシップ・仕事体験の集客は確かに難しくなっていますが、工夫次第で集客は可能です。特に夏のインターンシップは、採用戦略において重要な位置を占めています。本稿でお伝えしたポイントを整理すると、以下の4点に集約されます。
- 「学生はうちに興味がない」前提で、体験内容で勝負する設計にする
- 「営業」「企画」など、学生が想起しやすい職種名・コンテンツを選ぶ
- 社員座談会は”編集”の視点で、会いたいと思わせる切り口をつくる
- 参加ハードルを下げ(カメラオフOK、選考なし等)、まず接点を最大化する
弊社では学生の声を多数収集しており、より詳細なアドバイスもご提供できます。ご興味があれば、お気軽に30分程度のオンラインミーティングでお話しさせていただければと思います。
参考データ出典
- マイナビ「2026年卒大学生 広報活動開始前の活動調査」(2025年2月)
- dodaキャンパス「2025年卒大学生 夏のインターンシップに関する調査」(2024年2月)
- 就職みらい研究所「2024年卒 就職活動TOPIC インターンシップ等の参加状況」(リクルート)