【26卒予測と提言】母集団は集まらない前提でご検討を

Strobolightsの羽田と申します。学生向けコミュニティの運営や大学講師をしながら学生の就職活動を横で見ながら、そこで吸い上げたインサイトを踏まえて企業様の新卒採用支援を行っています。

今回は26卒では母集団はもはや集まらないものとして考えた方がいいのではないか、というコラムです。ぜひ最後までご覧ください。

そのインターンは選考につながっていますか?

母集団形成は新卒採用において各社様の悩みの種ではないかと思いますが、24卒新卒採用でもこの課題はよく聞かれました。就活解禁の3月以降にプレエントリーを開始した企業様は特にその傾向が強いようです。結果、インターンなどいわゆる”プレ期間”の採用広報がレッドオーシャン化しています。

しかしインターンをやれば学生が集まるかというと決してそういうわけでもありません。前述した通りプレ期間はレッドオーシャン化しているため、何か話題性のあるインターンか、ナビサイトのオプションで露出を図りでもしないと母集団形成はできないのです。

私は日常的に学生と面談をしたり他愛もない雑談をよくしているのですが、学生の企業探しは食欲に似ているなと感じます。食欲がある時はいろいろな企業を探してエントリーするのですが、お腹がいっぱいになると新しく企業を探そうとはしません。

そして、学生はまずは「知っている企業」から受けていきます。問題は、この時点で食欲が満たされてしまうことです。つまり、学生にとって身近な会社を受ける頃にはもう学生は企業選びの時期は終わってしまうのです。

ではどうすれば母集団が集まるのか?と企業の皆様は頭を悩まされるのですが、ここで前述したお話に返ります。つまり「母集団は集まらない前提で戦略を立てる」ということです。

母集団を増やすよりも効率の良い考え方

思い返せば2000年代に就職情報メディアがWeb化して以来、日本の新卒採用は「母集団が正義」でした。多くの企業様は母集団の数をKPIに据えて前年との比較や戦略を設計されているのではないかと思います。大量の学生を集めてその数をスクリーニングしていく、という考え方です。

しかし、そのモデルもそろそろ限界かもしれません。何しろ母集団が集まらないのですから。媒体を増やしても、SNSで情報発信しても、思ったような成果は出ないのではないでしょうか。

それであれば母集団形成に必要以上にリソースを割かずに「集まった学生をどうフォローするか」に注力いただいた方がいいのではないかと考えています。

私は、企業様のイベント企画やスライド作成をご支援させていただくことが多いのですが、「もったいないな」と思うスライドやイベントコンテンツはとても多い。学生にインタビューをすると説明会は学生の志望度醸成に大きなインパクトがあります。競争が激化している母集団形成にコストと労力を使うより、せっかく集まってくれた学生の歩留まりを向上させる方が成功確率は高いのではないかなと感じています。

説明会参加者が数名でも、その学生たちの多くがその後の選考に進んでくれたなら効率の良い採用活動と言えるのだと思います。

母集団が減ってしまうのは怖いですし、勇気のいる決断だとも思います。しかし、そろそろ考え方の転換期に来ているのではないかと考えています。

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